※在宅パートを探す中で、夫婦間の価値観の違いに悩んだ実体験を書いています。
在宅パートを探し始めたとき、夫と意見が合わない時期がありました。
大きなケンカをしたわけではありません。
ただ、「パート」という言葉を口にするたびに、少し空気が重くなる。
そんな感覚が、しばらく続いていました。
「私はそんなに欲張っているのだろうか」
「私の求めている条件は、現実的ではないのだろうか」
「この選択は、間違っているのだろうか」
迷いながら在宅パートを探していた日々と、
その中で私が出したひとつの答えについて、今日は書いてみようと思います。
在宅パートを探そうと思った理由
在宅パートを選びたいと思った理由は、体力面と通勤の負担、そして愛犬の存在でした。
ブランクがある中で、バスと電車を乗り継いで通勤し、業務を行うという変化に適応できるだろうか。
通勤だけで体力を消耗してしまわないか。
今まで通りの家事や愛犬の世話と、パートを両立できるだろうか。
中でも、特に気になったのは愛犬のことでした。
「できるだけそばにいたい」
「何かあったときに、すぐ対応できる環境で働きたい」
「シニア期に入った今、留守番時間を増やしてまで働く必要はあるのだろうか」
いくつもの不安がある中で、愛犬のことだけは、簡単に割り切ることができなかったのです。
楽をしたいわけでも、逃げたいわけでもありません。
自分なりに現実的に考えた結果、
「在宅で働く」という条件だけは譲れない
そう思うようになりました。
夫の意見はこうだった
在宅パートについて最初に話したとき、夫の反応は
「いいんじゃない?」
という、比較的あっさりしたものでした。
ところが、実際に在宅の求人を探し、応募しようとすると、少しずつ言葉が変わっていきました。
「本当に大丈夫なの?」
「その求人サイト、信用できるの?」
さらに、2件、3件と不採用が続くと、
「在宅にこだわる必要はないんじゃない?」
「在宅にこだわらず、もっと視野を広げたほうがいいと思うけど」
そんな言葉をかけられるようになりました。
私が
「パートにこだわらず、フリーランスで働くことも考えたほうがいいのかもしれない……」
と言ったときには、
少しイラついた様子で
「自分がどうしたいかでしょ!!」
と言われました。
また、
「採用されないなら、オンラインスクールに入ってスキルをつけようかな……」
と話したときには、
「絶対やめたほうがいいって!!」
と、かなり強い口調で言われました。
理由は、大金をかけても必ずしもスキルが身につくとは限らないこと。
それが仕事につながる保証はないこと。
どれも、現実的な心配でした。
今振り返ると、夫の言葉は頭ごなしの否定というより、
先が見えない状況を心配してのものだったのだと思います。
私とは重視しているポイントが違っただけで、
悪気があったわけではなかったと、今なら受け止められます。
なぜこんなに意見が合わなくなったのか
意見が合わなくなった理由は、いくつかありました。
ひとつは、働き方の「当たり前」の違いです。
夫にとっては、外に出て働くことが基本。
在宅ワークは、未知で不安の多い働き方だったのだと思います。
もうひとつは、情報量の差です。
私は毎日のように在宅パートや求人について調べていたため、
「在宅で働く」ということを少しずつ理解していましたが、
夫は在宅勤務そのものについて、ほとんど知識がありませんでした。
そして何より、私自身が
「在宅で働きたい」
という条件に強くこだわっていたこと。
このズレが、すれ違いを生んでいたのだと思います。
話し合いで意識したこと
正直に言うと、今回については、きちんと腰を据えて話し合うことはしませんでした。
もともと私は、自分で決めたことについては、最終的に自分の判断を優先したいタイプです。
当時の私は、話し合いを重ねることで、お互いの考えがすり合うイメージを持てませんでした。
私が何を大切にしたいのかははっきりしていましたし、
夫もまた、自分なりの考えを簡単には変えないタイプだと分かっていたからです。
それなら、無理に説得し合うよりも、
まずは自分で動き、結果を出すほうが早い。
そう判断しました。
だから今回は、
静かに、コツコツと在宅パート探しを続け、
内定が出た段階で
「パート、決まりそう」
と報告しました。
それまでは、在宅パートの話はあえてしないようにしていました。
そのとき、夫が
「すごいじゃん」
と言ってくれた一言に、正直ほっとしました。
全面的に賛成してくれていたわけではなくても、
結果を見て認めてくれたことは、ありがたかったです。
ただ、夫の意見をすべて無視したわけではありません。
オンラインスクールに入る案はやめ、
仕事を通してスキルを身につけていけるよう、
より現実的な求人を探す方向に切り替えました。
本当は、ちゃんと話し合ったほうがいい。
それは、今でもそう思っています。
最終的に出した自分なりの答え
今回の選択が、完全な正解だったとは思っていません。
正解は人によって違いますし、
それは夫婦であっても同じです。
ただ、自分が納得できる形で決めた、という実感はあります。
「誰か」は、結果や人生に責任を取ってはくれません。
最終的に引き受けるのは、自分自身です。
たとえ自分の気持ちを貫くとしても、
相手の意見に耳を傾ける姿勢は大切にしたい。
その中で「それは確かにそうだな」と思えることは、取り入れていく。
自分の意思が全くないまま、他人の選択に委ねて生きていくことは、
私にとってとても息苦しいことでした。
まとめ|自分が大切にしたい軸を、見失わないために
働き方に、ひとつの正解はありません。
それは、夫婦であっても同じだと思います。
在宅パートが合う人もいれば、
外で働くほうが安心できる人もいます。
どちらが正しい、という話ではありません。
もし今、
「在宅にこだわりすぎているのかな」
「周りの意見を聞くべきなのかな」
と迷っているなら、
一度、自分の中で
「何を一番大切にしたいのか」
を整理してみてください。
すべてを満たす働き方は難しくても、
「ここだけは譲れない」がはっきりすると、
選択はずっと楽になります。
誰かの意見に耳を傾けることも大切。
でも、最後に責任を持つのは、あなた自身です。
自分で選び、自分で納得できる働き方を、
少しずつ見つけていけたらいいと思います。

