私は約20年片頭痛に悩まされ、日常生活にも支障をきたしていました。
そんな私がエムガルティを始めたことにより、片頭痛の頻度と痛みの程度が減り、生活が大きく変わりました。
「エムガルティって本当に効果ある?」「痛い?」「高いって聞くけど・・・」など、実際にエムガルティを使用している私の体験や感想を書いていこうと思います。
エムガルティとは?
エムガルティは、「CGRP」という物質のはたらきをおさえる「抗体医薬」というタイプの薬です。
エムガルティは、CGRPのはたらきをおさえ、片頭痛発作が起こるのをおさえると考えられています。
具体的には、エムガルティ投与によって
・片頭痛日数が減る
・急性期治療薬を使う日数が減る
・頭痛が続く時間が短縮する
という効果が期待できます。
エムガルティは、初回に2本、 以降は1ヵ月間隔で1本注射します。
副作用は、
注射部位反応:注射をした部位(お腹、太もも、腕、お尻)に痛み、発赤、かゆみ、内出血や腫れなどが生じる反応です。多くの場合、注射した日に出現し、数日以内に消失します。
その他の副反応:皮膚のかゆみ、じんま疹、発疹など
があります。
まれに重篤な過敏症として
・皮膚に今までとは違う発疹、かゆみが出た。
・息苦しい(呼吸困難もしくはのどが締め付けられるような感じ)。動悸どうきがする。
・顔、まぶた、唇・舌やのどが腫れた。声がでにくい。
・寒気がしたり、発熱がある。汗をかく。
・ふらついたり、意識がもうろうとする。
の症状があらわれることがあります。
引用・参考:エムガルティ
エムガルティ開始前の状態について
エムガルティ開始前は、発作発生抑制薬、急性期治療薬、鎮痛薬で片頭痛をコントロールしていました。(試みていたという方が近いかも?)
片頭痛発作発生抑制の内服薬
片頭痛発作発生抑制の内服薬は何種類かありますが、私は初めはミグシス、その後プロプラノロールをのんでいました。
1日2回、朝と夜の食後です。
片頭痛発作の頻度や日数
ミグシスやプロプラノロールをのんでいても片頭痛は起きていました。
だいたい月に4回くらい、日数にすると12日くらいです。
片頭痛発作の痛みの程度
痛み方は、こめかみがズキズキ痛む、目の奥が熱くズシーンと重みのある痛み、目玉を握りつぶされるような痛み、頭がグワングワン響くような痛み、吐き気を伴うこともありました。
痛みの程度は「ん?痛むな」程度に弱いもの~眠って意識を失わなければ耐えられないくらいの強さのこともありました。
ごくごく弱い痛みであればロキソニンでも効きましたが、中程度より強い時にはトリプタンも効かなかったです。
薬が効いて一時的に痛みが消えてもぶり返すことも多かったです。
また、閃輝暗点などの前兆はないものの、食欲が爆発する、光が異常にまぶしく感じる、においに敏感になる、異常な眠気や倦怠感、鎖骨下が痛む、耳鳴りがするなどの予兆が起きることがありました。
片頭痛急性期治療薬と副作用、鎮痛剤
急性期治療薬はスマトリプタン、ナラトリプタン、レイボー、鎮痛剤はロキソニン、吐き気止めはプリンペランを使用していました。
トリプタンはゾーミッグ→スマトリプタン→ナラトリプタンと種類を変えて試してきたのですが、私はどれも効果がイマイチかつ副作用が強く出ます。
片頭痛の痛みは治まる時もあれば、治まらない時もありました。
トリプタンをのんで4~5時間経ってから痛みがなくなることもあり、「薬が効いたのか?時間経過とともにただ片頭痛が治まったのか?」分からないことも多かったです。
副作用は、頭から肩が冷えるような、サワサワするような、締め付けられるような感覚と吐き気です。
のんだら眠ることができる時でないと、不快感が強くトリプタンをのみたくありません。
トリプタンをのんでも「痛みはマシになったような?なっていないような?」程度の効果しかないのに副作用が強く、トータルの苦痛は変わっていないという印象でした。
片頭痛への恐怖と不安
片頭痛の痛みそのものの他に、片頭痛への恐怖と不安で精神的にも辛いことが2つありました。
1つめは、痛みへの恐怖です。
ひどい片頭痛は1分1秒でゴゴゴゴゴォと痛みが増幅していくので、痛みを感じると「今回の頭痛はどこまで痛くなるんだろう・・・」という恐怖がありました。
2つめは、片頭痛が起きることへの不安です。
片頭痛が起きるとアクティブに動くことはできません。
「予定を入れても片頭痛が起きてしまったらキャンセルしなきゃいけなくなる、相手に迷惑をかけてしまう」と思うと、外出や旅行の予定は入れられませんでした。
「片頭痛を誘発する」といわれることや食べ物を知ってしまうと、それらを避けるようになってしまいました。
「やりたい!」と思うことがあっても「やめておこう・・・」となってしまう、食べたいものがあっても「片頭痛誘発するんだよな・・・」と躊躇してしまう生活で、常に片頭痛に支配されているような毎日が悲しかったです。
エムガルティ開始してからの状態
私はエムガルティの接種を3回終えたところなのですが、片頭痛の頻度と痛みの程度は明らかに減りました。(「慎重に進めましょう」ということでプロプラノロールの内服も数か月継続。)
片頭痛が起きても痛みの程度が小さいのでほとんどの場合ロキソニンで対処できるようになったことも、トリプタンの副作用が強い私にとっては嬉しいことでした。
ぶり返すしつこい痛みの時にはトリプタンをのむこともありますが、効きは良くないので「もしかしたら、そもそもトリプタンが効きにくいか合わない体質なのか?」という疑問も持ち始めました。
そして、片頭痛の頻度と痛みの軽減したことと、片頭痛への恐怖や不安がほとんどなくなったことで気持ちが軽くなったのも大きな変化でした。
やっぱり「やりたい!」と思ったことを行動にうつせる、「食べたい!」と思ったものを気にしすぎずに食べられることは楽しいです。
エムガルティは効果ある?痛い?費用は?副作用は?
エムガルティは効果ある?どのくらいで効果が出る?
エムガルティは個人差があるようなので、必ず全ての人に効果があるとは言えませんが、私には効果がありました。
エムガルティ開始直後から効果が出ていたように思いますし、1か月目よりは2か月目のほうがさらに片頭痛の頻度や痛みの程度が軽減しています。
しかし、先日、薬局で薬剤師さんと患者さんの「エムガルティも効かなくて・・・」という会話が聞こえてきたので、人によっては効果がないこともあるようです。
エムガルティは痛い?
私はクリニックで看護師さんに腕に打ってもらっているのですが、正直・・・痛いです。
エムガルティ>>>>>インフルエンザワクチン>コロナワクチン>>>>>採血の順番で痛いです。
注射=針を刺すっていう素人の安易な発想ですが、体に針を刺される経験で一番多いのが私の場合採血です。
最近の採血ってほんとにチクッとするくらいで痛み少ないですよね・・・「注射(エムガルティ)も採血くらいの痛みなんだろうな」と勝手にイメージしてたらショック受けました。
1本目を打った時は、看護師さんに「10秒くらいじっとしててくださいね~」と言われたのに途中で振り払って逃げそうになりました。
その後、考え直して「血抜くのと液体入れるのって違うよね・・・」と思ってチーンってなりました。
2回目(3本目)までは痛みがトラウマになっていましたが、3回目(4本目)はだいぶ痛みに慣れました。
痛みに耐えるポイントは「心を無にして10数えること」で、「1、2、3・・・」と数えることに集中しているとすぐに終わります。
エムガルティの費用は?
エムガルティは初回は2本、2回目以降1本打ちます。
費用は、初回25,660円、2回目以降は12,870円です。
保険適用されてこの金額なので高いです。
私は、医師からエムガルティを提案されてから、あまりの高さに2か月悩みました。
エムガルティの副作用は?
私は副作用はありませんでした。
初回の1本目を打った時に腕がちょっとズーンと重だるくなったような気がしたくらいです。
その重だるい感覚もすぐに消えました。
自己注射しないの?
エムガルティは自己注射もできるようなのですが、私が通っているクリニックは「病院で打ちます」とのことなので1か月に1回通院して看護師さんに打ってもらっています。
というか、エムガルティの痛みを知ってしまったら、私は自己注射する勇気がない・・・かもしれないです。
今後、クリニックの方針が変わって自己注射可になったら考えたいと思います。
痛いのに、高いのに、エムガルティを使用することにした決め手は?
ここまで書いた通り、エムガルティは痛いし高いです。
痛みは10秒程度のことなので耐えるしかないですが、金額は本当に悩みました。
初めて医師からエムガルティを提案されてからの1か月は金額の高さから夫に相談もできませんでした。
「実は片頭痛の注射が13,000円くらい・・・ゴニョゴニョ」と夫に相談して「痛いのはどうにもならないからやったら?」と言われてからも、「本当にいいのか?高くないか?やるのか?」と通院日まで1か月自問自答し続けたのですが。
結婚記念日が大きなきっかけになりました。
10年目の結婚記念日に片頭痛が起き、本来なら節目のお祝いの日のはずなのに、頭が痛くてまともに会話もできなくて静かに暗い気分のまま1日が終わってしまった時には「こんな生活嫌だ、なんでこんなことに・・・」と心の底から自分に嫌気がさしました。
あと、私は実家までドアツードア(door-to-door)で7時間かかるのですが、片頭痛が起きている状態で長距離移動はとてもしんどいです。
そして、せっかく帰省したのに片頭痛で寝ていることも、家族に心配をかけてしまうことも申し訳なさでいっぱいでした。
やりたいことができない、旅行も行けない、食べたいものを食べるのも躊躇するなど日常生活での制限に自分に嫌気がさすことが加わり、「片頭痛に縛られ、貴重な機会や時間を奪われ、痛みに耐える生活を変えられる手段があるなら試してみたい」と思ったのが、エムガルティを開始するきっかけとなりました。
片頭痛に悩んでいるなら専門医に相談してみてほしい
ここまで私のエムガルティの体験を書いてきました。
あくまで個人の感想になってしまうのですが、私はエムガルティの効果を実感し、生活が変わりました。
片頭痛に悩んでいる方は、一度専門医に相談してみることをおすすめします。
同じ悩みを抱えている方の参考になれば幸いです。