2023年3月に行われた第50回ペット栄養管理士認定試験に合格し、登録手続きを行いました。
私は動物に関する学歴や専門知識はなく、「飼い主」として講習を受けて受験しました。
受験を決めるまでは「動物について勉強したことのない私でも講習についていけるのかな?合格できる力がつくの?」と不安に思っていました。
難しいところもあったけれど、講習や試験勉強を通して知っていると今後に活かせそうな知識を学ぶことができました。
「飼い主」として講習を受けて受験して感じたことなどを書いていきたいと思います。
ペット栄養管理士とは?
ペット栄養管理士は、「ペットの栄養に関する知識の普及と指導に必要な人材を育成し、ペットの健康維持向上を図り、もって動物の愛護に寄与する目的」として、2002年5月に日本ペット栄養学会によって創設された資格です。
日本ペット栄養学会は、1998年6月に設立され、「ペットの栄養・健康増進及びペットフードの品質向上等に関する会員相互の知識、技術の向上とその普及を図る事を目的」として活動しています。
参考 日本ペット栄養学会
ペット栄養管理士になるには?
ペット栄養管理士になるには、認定試験に合格し、日本ペット栄養学会に入会し、ペット栄養管理士名簿に登録します。
ペット栄養管理士の受験資格は?
1.ペット栄養管理士養成講習会の全ての教程(A・B・Cの3教)を修了した者
2.大学において獣医学(獣医学科、獣医保健学科等)、畜産学(応用動物学・ 資源動物学・動物生産学・応用生命科学・応用生物科学・生物機能科学・ 生物資源科学等)、農芸化学(バイオサイエンス学科等)のいずれかの課程を修めた者
3.日本ペット栄養学会 認定委員会 が定めた「ペット栄養管理士特別認定校(専門学校)」にて「愛玩動物動物看護師受験資格を有する者」
4.認定定委員会が上記1・2と同等、もしくはそれ以上の資格を有すると認定した者
5.平成14年1月開催の「ペット栄養管理者養成講習会」受講者。
ペット栄養管理士養成講習会とは?
養成講習会は、「ペット栄養管理士の資格を取得しようとする人」「ペットの栄養等に関する知識を取得する意欲のある人」を対象としており、年齢・性別・国籍等の指定はありません。
講習科目は、「ペットフード総論」「ペット基礎栄養学」「ペット臨床栄養学(衛生学含む)」で、各々内容を3等分し、A・B・C教程にて行います。
私はeラーニングで講習会を受講しましたが、このようなカリキュラムでした。
ペット栄養管理士の登録手続きなど
ペット栄養管理士認定試験に合格すると合格通知書と登録手続きに関する書類が送られてきます。
私は2023年3月12日に受験し、4月上旬には合格通知と手続きの案内が普通郵便で届きました。
ペット栄養管理士登録申請書、日本ペット栄養管理学会入会申込書を記入して返送し、ペット栄養管理士登録手数料(10,000円)、日本ペット栄養学会年会費(5,000円)を支払いました。
4月中旬に書類の返送と費用の支払いをしたのですが、5月末にペット栄養管理士登録証(カード)、6月初めに登録証(賞状)が普通郵便で届きました。
このペット栄養管理士登録証(カード)ですが、顔写真には受験票の写真が使われていました。
私は、受験申込時、「受験票=当日の本人確認にしか使わないのなら化粧はしなくていっか~」とすっぴん眼鏡の写真を提出していたので、ペット栄養管理士登録証を見たときは「やっちまった・・・」と思いました。
また、ペット栄養管理士は3年ごとの更新制で、更新するには手数料が3,000円かかります。
ペット栄養管理士になるための費用は?
費用 | |
初回講習会(テキストあり) | 10,500円 |
2~3回目講習会(テキストなし) | 6,000円×2回=12,000円 |
問題集 | 6,000円 |
受験料 | 10,000円 |
ペット栄養管理士登録手数料 | 10,000円 |
日本ペット栄養学会年会費 | 5,000円(学生 2,000円) |
合計 | 53,500円(学生 50,500円) |
※問題集購入時は送料がかかります。送料は、1冊240円、2冊310円、3冊430円。
※講習会、受験料払込時は手数料がかかります。私はATMでゆうちょ口座(通帳またはカード使用)から支払い、手数料は152円でした。
ペット栄養管理士認定試験の合格率、過去問、難易度は?
ペット栄養管理士の合格率や試験ごとの過去問は公表されていません。
試験問題を持ち帰ることができないため、試験ごとの過去問についての情報も少ないと思います。
私が試験を受けた感覚としては、ほとんど問題集から出題されているように感じました。
そのため、問題集で対策を行えば難易度は高くないと思います。
ペット栄養管理士の試験対策は?
ペット栄養管理士認定試験の試験科目は、ペットフード総論・ペット基礎栄養学・衛生学含むペット臨床栄養学(出題数100問)、つまりテキストと講習の全てが出題範囲となります。
テキストは約400ページあり、テキストと講習で試験対策をするには範囲が膨大で難しいと思います。
問題集は1冊6,000円(送料別)ですので決して安くはありませんが、試験問題はほぼ問題集から出題されるので購入したほうが効率的に試験対策ができます。
私は大きく分けて、
①講習を受ける
②問題集を解き、講習資料・テキスト・ネットで調べながら答え合わせ
③問題集の復習
という流れで試験対策を行いました。
①講習を受ける
講習は、1コマ1時間くらいです。
資料は、講師によって文字メイン、写真メイン、文字+写真のものがありました。
講習の内容とテキストの内容がほぼ一致している場合もありますが、そうでない場合もあるので資料に載っていないことはメモを取りながら視聴していました。
見直せるのがオンライン講習のメリットなので、聞き逃したところや分かりにくかったところは何度も見直して理解するようにしていました。
②問題集を解き、講習資料・テキスト・ネットで調べながら答え合わせ
全ての講習が終わったら問題集を解いていきます。
しかし、問題集は解答は載っていますが解説が載っていません。
そのため、分からないところや間違えたところについては自分で調べないといけません。
私は、知識があいまいなところや間違えところは、講習資料、テキスト、ネットで調べ、自分専用の解説を作るつもりでまとめていきました。
テキストは分厚いので「読む」というよりは「わからないことを調べながら知識のインプットにも使う」といったイメージで使用していました。
この方法だと1周目は時間がかかりますが、1度まとめておけば、2周目、3周目と問題集を解くときに役に立ちます。
また、2周目、3周目になるとひたすら問題を解いていくだけになるのでサクサク進むようになります。
③問題集の復習
一通り問題集を解いたら、あとは繰り返し解いていきます。
認定試験の合格点が分からないのでどのくらいの得点率を目標とするかが難しいところですが、私は最終的に80%以上の得点率を目標としていました。
通しで2周、3周と解き、試験直前には何度も間違えてしまう問題を重点的に解いていました。
試験当日について
私は、大手町駅C1出口直結のTKP東京駅大手町カンファレンスセンターで試験を受けました。
日曜だったからか地下直結出口は閉じられていたので地上に出ると、目の前の柱にビル沿いに進むと入口があると案内が貼ってありました。
試験は15:00開始で、受付開始は14:00でした。
隣の受験者とは1席空いていて、大きな会議室でしたが割といっぱいだったような記憶があります。
試験開始から1時間経過すると退出できるので、問題を解き終わった人はどんどん出ていきます。
「あれ、私問題解くの遅い?」と不安になってしまいますが、周りのペースは気にせず自分のペースで解くことに集中しました。
私はゆっくり問題を解いて2回確認してから退出しましたが、それでも時間が余りました。
試験当日は、忘れ物をしない、早めに会場に着く、自分のペースで問題を解くことを心がけていました。
学ぶきっかけは愛犬の食べムラ
私の愛犬ふぅはある日突然食事拒否。体調が悪いのかと思ったらただの食べムラ・・・。
ごはんに興味を示さなくなったふぅと、「どのごはんなら食べてくれる?」という悩み、あふれる情報の間で板挟みになっているうちに「どのドッグフードがいいの?」「数が多すぎてわからない」「犬って炭水化物いらない?」「グルテンフリー?」「添加物?」と頭がパンクしそうになり、「それなら自分で勉強してみよう」と思ったのが、犬の食事に興味を持ったきっかけでした。
あふれる情報に翻弄されて全てのドッグフードが疑わしく見えていたものが、専門家から直接学ぶことで情報の取捨選択ができるようになりました。
そして、愛犬の口に入れるものを買うときは、栄養成分、原材料を確認し「これならいっか?」と自分で判断できるようになりました。
そのため、ペット栄養管理士は内容の充実度からも学んでよかったと思う資格のひとつです。
ペットフードや食事以外にも犬・猫の歴史やライフステージ、食性などについて学ぶのは楽しかったですし、疾病の栄養学の分野はサラッとでも知っていれば今後役に立つのではないかと思います。